2016年度世界長者番付 上位50人のデータで見る「7つの共通点」

フォーブス誌が発表しているビリオネア リスト(世界長者番付)。ビル・ゲイツをはじめとする、トップ50人の総資産は約140兆円。 雲の上の存在にも感じてしまいますが、彼らも同じ人間。共通点を探っていけば、近づくための方法も見えてくるはずです。
そこで、世界長者番付の中でもトップ50人を中心に、その共通点を探っていきます。

共通点1:低年齢での起業

 

世界長者番付トップ50人のうち9割以上、おそらく全員が創業者、または創業者の家族です。


しかし、起業すれば良いというわけではありません。
世界には起業家は多く存在していますし、上場企業だけでも世界に約5万社も存在しています。
ビリオネアと他の起業家の違いはなんでしょうか?

起業すべきタイミングというのはあるのでしょうか?


ビリオネアに共通しているのは、起業したときの年齢が非常に若いという点です。


特に下記の5人は全員、大学・大学院在学中に起業している人物です。
19歳:ビル・ゲイツ(Microsoft)、
19歳:ザッカーバーグ(Facebook)
21歳:ジョブズ(Apple) 
25歳:ラリーペイジ(Google)
25歳:セルゲイ・ブリン(Google)

 

会社設立では無いものの、バフェットは11歳、カルロス・スリムは12歳で株式投資をはじめています。
65歳でケンタッキー・フライド・チキンを創業し、大器晩成型として知られるカーネル・サンダースでさえ、最初に起業したのは30代です。


しかし、日本でもアメリカでも起業の平均年齢が40代であることと比較すると、ビリオネア達はかなり低い年齢で起業している傾向は間違いありません。

あえて起業すべきタイミングを出すのであれば「できれば25歳以下、若ければ若いほど良い」ということになるでしょう。


 

共通点2:独占できる市場をつくる

起業するのだとすれば、どのような市場を選ぶべきでしょうか?
ビリオネアがどのような市場を選んでいるか考えるために「ビリオネアが存在しない市場」を見てみましょう。

 

ビリオネアが存在しない、代表的な市場として挙げられるのは「外食市場」です。
世界長者番付トップ50人の中に、外食に関わる人物は1人も存在していません。


世界最大の外食チェーンをつくったとしても、ビリオネアになることはできないのです。

サブウェイ、スターバックス、マクドナルドなどが顧客に愛される素晴らしい企業であることは疑いようもありません。
しかし、その創業者やオーナーでさえ、資産規模が数千億円であることは、起業家や投資家であれば覚えておいても良いと思います。

 


外食ではビリオネアが生まれないのは、参入障壁が低いからでしょうか?

しかし、同じく参入障壁の低い「アパレル」や「WEBサービス」の創業者が、トップ50人の中に多くいることを考えると「参入障壁の低い業界だからダメ」とは言い切れません。

 



外食は市場規模が小さいからでしょうか?
外食産業市場は日本だけで24兆円、世界では300兆円以上と推測される巨大市場です。

300兆円以上の外食市場に比べると、メキシコの携帯電話市場は1兆円台しかないにも関わらず、市場を独占することに成功したカルロス・スリム(テルメックス社)は、世界4位のビリオネアになっています。

 

 


さらに、オペレーション・システム(Microsoft)、検索エンジン(Google)、SNS(Facebook)のように、ゼロに等しい市場規模から、大きくスケールさせたパターンも少なくありません。

もちろん市場が小さいままではスケールさせる事はできませんが、市場規模が大きいかどうかよりも「独占できる市場」を選択できるかどうかが鍵と言えそうです。

 


また40歳以下のビリオネアに限ればインターネットに関わる起業家が多く、その中でも目立っているのはSNS、ゲーム、シェアリングエコノミーという3つの領域であり、どれも新しい市場です。

 


もちろんインターネット以外にも、製薬や医療、自動運転車、AI、宇宙などイノベーションが予想される分野も多くありますが、若い起業家が有利に戦える領域がインターネットなのかもしれません。

 

  

共通点3:多くの事業に挑戦する


トップ50人のうち、会社を1社しか設立していない人物は3割以下であり、10社以上設立している人物も多く存在します。

 
Facebookは、かつてYahooからの約1000億円での買収提案を真剣に検討していました。
つまりFacebookの創業者や初期の投資家達でさえ、いまの40兆円の大成功は想定できなかったのです。

やはり、ひとつの事業が大成功するかは「やってみないと分からない」つまり運の要素もあります。


しかし挑戦する事業の数を増やすことで、運の要素を減らし、実力によって成功をすることができると考えられます。


会社の数は本質的なことではなく、多くの事業に挑戦することが成功確率を上げるために大きく貢献していると言えるでしょう。

 


共通点4:経営と投資は両輪

  
ジョージ・ソロスのような投資ファンドの経営者に限らず、50人のビリオネアの多くが起業と投資の両方を経験しており、経営と投資の両方で成功しているパターンが非常に多いです。

起業で得たキャッシュを投資に回し、投資によって得た事業を経営に生かしているようです。

 


投資で大きく成功している、目立ったパターンには2つあります。

「創業時の投資」 と「割安での買収」です。

 


「創業時の投資」というのはポールアレン(Microsoft)のような共同創業者の場合だけでなく、外部からベンチャー投資をした場合もあります。

初期のFacebookに投資した人物だけでも10人が、約1000億円以上の資産を持つビリオネアになっています。

日本2位のビリオネアである孫正義氏が大きな資産を築いたのは、Yahooとアリババに対してベンチャー投資をしたことが大きく貢献しています。

 


投資と聞いて連想しづらいかもしれませんが、「割安での買収」も多くの事例が存在します。

テルメックスや、バークシャー・ハサウェイ、BMWの現オーナー達は、会社の設立者ではありません。

ルイヴィトンやディオール、モエ・エ・シャンドン、ドンペリニオンなど60以上のアパレル、酒造メーカーを抱えるLVMHのアルノーも、不動産関連の事業で小さな成功をおさめたのを元手に、次々とブランドを買収して成長させ、巨大グループに至っています。

その多くは、倒産危機にあるなど株価が割安になっていた時期に買収して建て直し、拡大させた会社達です。

もちろん一時的に暴落しているだけなのかを多くの投資家が判断できないからこそ、株価が暴落しているのですが、経営再建に自信があるからこそ、彼らが成し得たと言えるでしょう。

 


共通点5:株の保有を維持する


起業家の中には、資金調達をする過程で保有率がほぼ0%になってしまうことも多くあるはずです。

しかし乱暴な計算ですが、2兆円の資産をつくるためには、時価総額10兆円の会社をつくり、20%の株を保有していなければなりません。

ザッカーバーグやジェフベゾスは、FacebookやAmazonが超巨大企業になっても2〜3割程度の株を保有しています。
コークインダストリーは8割、サントリーは9割の株を創業家が保有しています。

 


株の保有に関しては、ビリオネア達ですら手痛い失敗をしているケースもあります。

バフェットはかつて、バークシャー・ハサウェイを通して保険会社を買収。世界的な巨大事業に育て上げました。

しかし、バフェットが半分程度しか株を保有していなかったバークシャー・ハサウェイを通すのではなく、バフェットが直接保険会社を買収していれば、2倍近い資産額になっていたとと考えられ、バフェット自身も「途方もない失敗をしてしまった」と後悔しています。

 
もちろん適切なタイミングで資金調達をして、アクセルを踏むことは大切です。

しかし必要性の低いタイミングで、小さな評価額による資金調達をすることで、株式保有率を大きく下げてしまうことは避けたほうが良いのかもしれません。

 


共通点6:消費せず、投資し続ける


ウォーレン・バフェットは20代のときに300万円で購入した質素な自宅に住みつづけ、現在もここから中古車で通勤しています。

石油王でかつて世界長者番付1位だったJ・ポール・ゲティは、孫が誘拐されたときに身代金を値切ったことで知られています。

ビルゲイツはエコノミークラスに、孫正義は軽自動車に乗って移動するそうです。

 


ビリオネア達の「ケチエピソード」は常軌を逸しているとさえ言えます。

彼らが極端なほど消費しないのは何故でしょうか?サイコパスだからでしょうか?

数億円の資産家であれば「使ったら資産家では無くなってしまうから」で説明がつきますが、数兆円の資産家であれば、消費で使い切ってしまう心配など無いはずです。

 

おそらくですが、ビリオネア達は消費を抑え、投資にまわし続けているからだと考えられます。
数兆円を手にしても「ゴール」したと考えるのではなく、さらなる投資をして資産を増やし続けているのです。

 

ビルゲイツは2006年には経営から引退しているにも関わらず、資産の大半を投資に回し、5兆円だった資産を2016年には9兆円まで増やしています。

ビルゲイツの自宅には人工の川が流れ、敷地面積は山手線の内側よりも広大です。
しかし、それは消費ではなく、不動産投資と呼べるものであり、現在の不動産価値は購入時を大きく上回っていると推定されています。

 


共通点7:配偶者を共通点1〜6に導く

ここまでは、ビリオネアには創業者しかいないかのように書いてきました。


しかし、もう一つ例外的なカテゴリに属する人たちがいます。
それは「創業者の妻達」です。

 

果たして創業者の妻達を「運が良かった」と片付けてよいのでしょうか。

 

ビリオネアの妻の中には、オバマ大統領のアドバイザーや、ベンチャー企業への投資、経営参画をしているローレン・パウエル・ジョブズ。

名実ともに数兆円規模の財団を率いているメリンダ・ゲイツなど、突出した才能を発揮している人が多く存在しています。

妻達の職業は、起業家、投資家、医師、女優、歌手など、分野こそ様々ですが社会的に活躍している女性が多いことは無視できません。

創業者と結婚するだけでなく、良い影響を与えることで、結果的に上記6つの共通点のような選択に導いたからこそ、成功をおさめたと考えられます。

 

妻達が、選択を導いたというのは大げさに思われるかもしれません。
しかし、今までに紹介した6つの共通点は全て、短期的にはお金を減らす行為です。 

・低年齢での起業(就職しない)
・独占できる新しい市場に挑戦(訳の分からない事業に手をだす)
・多くの事業に挑戦する(失敗し続ける)
・ベンチャー投資や買収をする(リスクの高い投資にはまる)
・株の保有を維持する(資金調達できるのにしない)
・投資し続ける(お金を減らし続ける)

普通の配偶者であれば「いい加減にしてくれ(死んでくれ)」と思い、阻止することさえあるかもしれません。

これらを許したり促進したりするというだけでも、彼女達も特別な才能のある人達だと言えるでしょう。

 

この章では「創業者の妻達」にスポットを当てて考えてみましたが、女性は起業に向かず、結婚でしか裕福になれないのかといえば、決してそんなことはありません。

現時点では世界のビリオネアトップ50人の中に、まだ女性起業家はいませんが、日本に限れば47位にテンプスタッフ創業者の篠原欣子氏がランクインしています。

起業家全体の半分が女性だという香港では、100万ドル以上の資産を持つ起業家のうち、やはり半分を女性が占めています。

起業さえしてしまえば、女性の成功確率も同じだと考えられるため、女性起業家のビリオネアもこれから増えていくと予想されます。

  


まとめ


世界長者番付のトップ50人を調べて分かった6つの共通点をまとめてみました。


精神論的な話になってしまいますが、ビリオネアになるためには、「生活を豊かにして自分の幸福度を上げること」を動機にしない方が良いのかもしれません。

そのために数兆円もの資産は必要無く、すぐに動機を失ってしまうからです。

大きなサービスを生み出したい、大きなインパクトをつくりたいというような動機の方がより成功に近づけるのかもしれません。

  

ちなみに今年の世界長者番付上位6人の顔ぶれは、下記のような方々になっています。

1位:ビル・ゲイツ(Microsoft創業者)
2位:アマンシオ・オルテガ(ZARA創業者)
3位:ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイCEO)
4位:カルロス・スリム・ヘル(テルメックス会長)
5位:ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)
6位:マークザッカーバーグ(Facebook創業者)

 

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