楽天の三木谷社長が「役員は茶器だ」と言ったそうです。
この「茶器」とは、かつて織田信長が家臣に領土を与える代わりに「茶会を催す権利」を渡したということでの部下評価制度、人心掌握術に由来します。
「俺は会社の役員なんだ」という茶器が欲しい人がわりといるわけですが、この茶器ぐらいで役員は定着しません。
逆に、まったく役員メンバーが変わっていない会社を見つけることが難しいわけです。
当の当事者は「上場したらそれを区切りにやめるかもしれないよね」とか「お互いが必要とするなら組もうね」みたいなノリなわけです。
ところが、そんな前向きな役員の脱退はあるわけがないのです。かなり後ろ向きです。
では、どんなときに、どんな役員が逃げるのでしょうか?
・なんでも自分の手柄にしちゃう人・キャリアパスに考えてる人・会社が調子のいいときに加入した人
・会社が不調になった時・従業員とのトラブル・上場する見込がなくなったとか。
まあ、呼んだほうの代表者のビッグマウスも災いをもたらすわけですが、茶器が欲しい人は基本的に辛い時にはやめてしまいます。できれば辛い時にこそボードメンバーを呼んだ方がいいでしょう。
ほんとにひどい逃げ方は、会社のお金の使いみちを役員会議で決めたはずなのに、借金の連帯保証人は代表だけであって、逃げるが勝ちをしてしまうことです。これは失敗した起業家が誰しも経験していることです。
というわけで、どうせどこかで後ろ向きに辞めるわけだからという前提で、他の創業メンバーや役員とどういう契約をすべきかを、まとめてみました。
・社長の持ち分は圧倒的に多くしておく・役員が辞めるときは持っている株を安く買い取る
相手は、後ろ向きな理由で辞めるわけだから、そんな奴にたくさんのお金を出したくはないはずです。
その時の株なんて、業績が悪くて価値が無いものかもしれません。だから株のシェアは代表が大多数をもぎとり、株の買い取りは出資時の簿価にすべきです。(※1)
さらにいえば、役員報酬は辞めた役員から株を買い取るために、他のメンバーよりも多めにいただきましょう。
銀行からの借金の連帯保証人は代表取締役ただ一人ですし、社員のトラブルなどで訴訟のリスクにさらされるのは代表取締役です。
リスクをとっている分、他の役員よりリターンを多くしておくのは当然のことです。
くれぐれも、メンバー間で気を使って、給料も株も均等割みたいなオママゴトはしないようにしましょう。
※1 VCから増資受けたときに株価あがってると、出資時の簿価の買い取りでは、贈与税等の問題がでてくることがあるので注意する必要があります。
経営ボードが抜けていくということは、営業リソースを持っていかれる、ノウハウを持っていかれるということになりかねません。だから、役員委任契約書を結ぶ必要があります。(※2)
ベンチャーキャピタルからの出資の契約書では、ボードメンバーが競合会社を作ってはならないなどの規定があったりします。そういった取引先との契約とも連動していかなくてはなりません。
もし、役員と契約書をかわしていなかったら、在任中によからぬ準備をされてしまうことになります。
在任中であれば「競業避止義務」を盛り込むことができますので、隙を与えないようにしましょう。(※3)
※2 基本的に役員と会社の関係は委任関係なので労働契約にはあたりませんが、役員兼務従業員の場合もあります。
※3 退職後の競合禁止規定は合理的な内容であれば雇用、委任に関わらず有効になりますが、内容は精査する必要があります。
従業員と会社の関係は、労働対価と労働内容のマッチングであるから、割と合理的に考えることができます。
それに対して、創業者と役員の関係は、「茶器」とよばれる「承認欲求」が影響を及ぼすのでとても厄介です。しかもそういうメンバーと一緒に、経営の舵をとらなくちゃいけないのです。
代表取締役は、逃げる役員が与えた損失から会社を守るために、先手を打たなければならなりません。
そのための株主比率だったり、役員報酬格差なのです。
そもそも茶器なのだから、茶器をつかってコントロールすればいいだけの話です。
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「執行役員」でも 心躍る
楽天の三木谷社長が「役員は茶器だ」と言ったそうです。
この「茶器」とは、かつて織田信長が家臣に領土を与える代わりに「茶会を催す権利」を渡したということでの部下評価制度、人心掌握術に由来します。
「俺は会社の役員なんだ」という茶器が欲しい人がわりといるわけですが、この茶器ぐらいで役員は定着しません。
逆に、まったく役員メンバーが変わっていない会社を見つけることが難しいわけです。
当の当事者は「上場したらそれを区切りにやめるかもしれないよね」とか「お互いが必要とするなら組もうね」みたいなノリなわけです。
ところが、そんな前向きな役員の脱退はあるわけがないのです。かなり後ろ向きです。
では、どんなときに、どんな役員が逃げるのでしょうか?
逃げる役員の特徴
・なんでも自分の手柄にしちゃう人
・キャリアパスに考えてる人
・会社が調子のいいときに加入した人
逃げるタイミング
・会社が不調になった時
・従業員とのトラブル
・上場する見込がなくなったとか。
まあ、呼んだほうの代表者のビッグマウスも災いをもたらすわけですが、茶器が欲しい人は基本的に辛い時にはやめてしまいます。できれば辛い時にこそボードメンバーを呼んだ方がいいでしょう。
ほんとにひどい逃げ方は、会社のお金の使いみちを役員会議で決めたはずなのに、借金の連帯保証人は代表だけであって、逃げるが勝ちをしてしまうことです。これは失敗した起業家が誰しも経験していることです。
というわけで、どうせどこかで後ろ向きに辞めるわけだからという前提で、他の創業メンバーや役員とどういう契約をすべきかを、まとめてみました。
創業株主間契約書のポイント
・社長の持ち分は圧倒的に多くしておく
・役員が辞めるときは持っている株を安く買い取る
相手は、後ろ向きな理由で辞めるわけだから、そんな奴にたくさんのお金を出したくはないはずです。
その時の株なんて、業績が悪くて価値が無いものかもしれません。
だから株のシェアは代表が大多数をもぎとり、株の買い取りは出資時の簿価にすべきです。(※1)
さらにいえば、役員報酬は辞めた役員から株を買い取るために、他のメンバーよりも多めにいただきましょう。
銀行からの借金の連帯保証人は代表取締役ただ一人ですし、社員のトラブルなどで訴訟のリスクにさらされるのは代表取締役です。
リスクをとっている分、他の役員よりリターンを多くしておくのは当然のことです。
くれぐれも、メンバー間で気を使って、給料も株も均等割みたいなオママゴトはしないようにしましょう。
※1 VCから増資受けたときに株価あがってると、出資時の簿価の買い取りでは、贈与税等の問題がでてくることがあるので注意する必要があります。
役員委任契約書のポイント
経営ボードが抜けていくということは、営業リソースを持っていかれる、ノウハウを持っていかれるということになりかねません。
だから、役員委任契約書を結ぶ必要があります。(※2)
ベンチャーキャピタルからの出資の契約書では、ボードメンバーが競合会社を作ってはならないなどの規定があったりします。
そういった取引先との契約とも連動していかなくてはなりません。
もし、役員と契約書をかわしていなかったら、在任中によからぬ準備をされてしまうことになります。
在任中であれば「競業避止義務」を盛り込むことができますので、隙を与えないようにしましょう。(※3)
※2 基本的に役員と会社の関係は委任関係なので労働契約にはあたりませんが、役員兼務従業員の場合もあります。
※3 退職後の競合禁止規定は合理的な内容であれば雇用、委任に関わらず有効になりますが、内容は精査する必要があります。
まとめ
従業員と会社の関係は、労働対価と労働内容のマッチングであるから、割と合理的に考えることができます。
それに対して、創業者と役員の関係は、「茶器」とよばれる「承認欲求」が影響を及ぼすのでとても厄介です。しかもそういうメンバーと一緒に、経営の舵をとらなくちゃいけないのです。
代表取締役は、逃げる役員が与えた損失から会社を守るために、先手を打たなければならなりません。
そのための株主比率だったり、役員報酬格差なのです。
そもそも茶器なのだから、茶器をつかってコントロールすればいいだけの話です。
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