【郵政vsヤマト】再び全面戦争勃発!?意見公告の真意とは?

郵政民営化により、ヤマトが得意とする分野にも競合サービスをぶつけてきた日本郵政。 このままホゾを噛みつづけているのか思いきや、民意を問う戦略にでました。 今回は2016年11月に展開した意見広告に対してあつまった3000件の意見に対するヤマトの見解を発表しました。

国に目をつけられても頑張る雑草魂に応援の声が殺到。

 

黒字の「郵便業務」になぜ優遇措置が必要なのか?

 

ユニバーサルサービスとは、

・国民生活に不可欠なサービス
・誰もが利用可能な料金と適切な条件
・日本全国に公平かる安定的な提供の確保が図られるべき

ということから、郵便事業には優遇措置がとられていました。
しかしながら、日本郵政の「郵便業務」は黒字なのに、どうして優遇措置をとられているのかという問題です。

 


【ヤマトの主張】

「ユニバーサルサービスの維持のための方法論が十分に検討されない中での優遇は、拡大解釈による今後の国民負担の増大や、ユニバーサルサービス以外の領域での「公平・公正な競争条件」の阻害を招き、結果的に国民の利便性の低下につながりかねない」

 

 

「信書」の制度を変えるべきじゃないのか?

 

信書とは「特定の受取人に対して、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書」のことをいいます。
信書を運べるのは、現状日本郵便の「郵便業務」の独占業務となっています。

 

例えば

 

・求職者が送る履歴書は信書で、それを企業が返却すると信書ではなくなります
・取引先が送る請求書は信書で、それを社内の別部署に送るのは信書ではなくなります。
・受験生にとどく合格証書は信書で、その受験者が家族に送るのは信書ではなくなります。

 

というわかりにくい定義がされており、信書を荷物で運ぶと罰則規定になります。

 

2013年、ヤマトは「信書の範囲」を文書の内容ではなくて封筒の大きさで決めてほしいと郵政政策部会に提案したものの見送られました。


そこでヤマトはお客さんが知らないうちに信書を送らないように、クロネコメール便を廃止したという経緯があります。

 

なお、アメリカでは独占領域を定める基準は、重要になっています。

 

 

信書便の事業も民間事業者が参入できるようになったが・・・

 

参入に際しては全国に約10万本のポストを新規に設置する必要があり、参入した事業社は現状1社もありません。

 


【ヤマトの提案】

「社会的インフラともいうべき郵便ポストや郵便局ネットワークを民間事業者へ開放することで利用率を向上させ、例えば電話事業のように接続料収入を得ることで、国民負担を増大させることなくユニバーサルサービスの安定維持を図ることは十分に可能である」

 

 


国際スピード郵便(EMS)は密輸の温床になっている

 

民間事業者の国際便は「申告納税方式」で、検疫は民間事業者は必ず空港建屋でうけなくてはなりません。
一方で、EMSは「賦課課税方式」なのですが、20万円以下の貨物には税関への申告手続きが不要で、検疫は郵便局で受けられます。
これらの制度の違いについては、TPPへの参加にあたり、「公平・公正な競争条件」を阻害する要因として諸外国から問題視する声があがり始めています。

 


【ヤマトの問題提起】

国内外の民間事業者が提供する「荷物を運ぶサービス」における「公平・公正な競争条件」は、グローバリズムが強まる中で、国際社会における共通の重要課題です。私たちは海外の事業者とも連携し、引き続きこの問題を提起していきます。

 

 

日本郵便とヤマト運輸の売上高推移比較

 

【日本郵便(郵便・物流事業セグメント)の売上高推移】
・2015年:1.82兆円
・2014年:1.78兆円
・2013年:1.75兆円

 


【ヤマト運輸の売上高推移】
・2015年:1.40兆円
・2014年:1.37兆円
・2013年:1.28兆円

 

※日本郵政の売上高は14兆円規模です。

 

 

「ローソンゆうパック事件(2004年)」のきっかけも意見広告だった!

 

「ゆうパック」を新たに導入を検討していたローソンと、従来通り排他的契約を求めるヤマトが対立し、「公平性に欠けている」との意見広告を出しました。それに対し、ローソンは宅配取次契約の中途解約を通告、ヤマトは独占禁止法違反で日本郵政公社を提訴、ヤマトの敗訴に終わりました。

 


国との仁義なき闘い

 

・大阪南労働基準監督署(2007年)
ヤマト運輸関西支社に対し、労働基準法違反容疑で是正勧告

 

・淀川労働基準監督署(2007年)
ヤマト運輸の集配センターに対し労働基準法違反容疑で是正勧告

 

・徳島労働基準監督署(2007年)
ヤマト運輸のエリア支店に対し、労働基準法違反容疑で是正勧告

 

・総務省(2008年)
「書類内容は明らかに一般信書」との見解、郵便法違反容疑での業務改善指導

 

・財務省(2010年)
保険業法違反で運送保険の募集停止の行政処分。ヤマト運輸が所属する朝日火災海上保険も業務改善命令

 


まとめ

 

今回の騒動は、2004年の「ローソンゆうパック事件」以来の日本郵政との喧嘩売りになります。

 

信書便の事業の民間参入が認められた一方で、10万本のポストが新規に必要という障壁を作って迎えた国のやり方には天晴でした。
また、国のやり方が違法の物品の輸入を許しながら、TPPの流れに沿っていないのは、縦割り官庁の弊害なのでしょうか。

 

または、行政との仁義なき闘いの延長戦の一幕にすぎないとも思えます。


クロネコメール便を開始して以来、値上げを繰り返してきた郵便料金が据え置かれ、またクロネコメール便の廃止を受け、値上げが発表されたという現金な日本郵政も心憎いですね。

 

今回はヤマト寄りの記事になってしまいましたが、そろそろ日本郵政の意見広告が出るのを心待ちにしたいと思います。

 

 

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