決算対策の生命保険の落とし穴。ゴールからの逆算で回避しよう。

今季は黒字決算だけど、来期も好調かどうかはわからないという時、今期の利益の一部を簿外に残して、もし赤字になったときにはその利益を計上してうまく損益相殺するという、円滑な企業経営の手段として法人保険の活用があります。

当期の節税はうまくいっても、トータルで損をする場合とは?

 

ポイントは「その保険料」は何年払えそうか?

 

「1/2損金の保険に加入して、多くの利益を法人税の課税対象から外すことができたけど、現金が足りない。これなら素直に法人税を払って、会社に現金を残しておいた方が良かった。」ということがあります。

 

 

どれくらい差がでるのか、ここでは実効税率を30%として計算してみましょう。


仮定)今季の利益が1000万円で銀行残高に1000万円が残っているとする

1.生命保険を買わなかった場合
 →法人税300万円を払って、700万円が残る

2.全損の生命保険を年間保険料200万円を支払った場合
 →残金800万円、法人税240万円(節税効果は60万円)を払って、560万円が残る

3.半損の生命保険を年間保険料200万円を支払った場合
 →残金800万円、法人税270万円を払って(節税効果は30万円)、530万円が残る

 

 

ここで、翌年以降、利益がプラマイセロだとしたら、何年払えるかという問題がでてきます。
毎年同じ金額の保険を買うとしたら、全損の場合はあと2年9ヶ月は払えますね。
半損の場合だと、支払らえる期間は2年7ヶ月です。

 


全額損金の場合は、利益分を経費で削るのとおなじ感覚ですが、
半額損金の場合は、節税効果は全損時の半分になり、保険料の支払い金額が相対的に重くなります。


つまり、感覚値以上に、当期キャッシュフローを悪化させているのです。

 


生命保険の商品特性として、

 

・全損よりも半損の方が解約返戻率が高い
・支払い開始から時間が立つにつれて返戻率が高くなる(ピークまで)

 

というのがあるので、感覚的には半額損金の方が結果的に美味しそうで飛びついたあまり、後で支払えなくなり、返戻率が高くならないうちに解約してしまうということがあるのです。

 

なので、生命保険に加入する際に、まず気をつけるのは「その保険料は何年払えそうか?」ということになります。

 

 

何年先に解約して、どんな効果を得たいのか?

 

では、当期の利益が出過ぎたらからといって「全額損金」に走るべきなのかというとそうでもありません。


先述したように解約返戻率が相対的に低いということがあります。

 


確かに当期はそれでいいのかもしれませんが、どこかにツケがまわってきます。
解約した年が黒字計上ならば、節税した分の税金はその年に払わなければなりません。

 

解約時のイメージがないと、ただの「課税の繰り延べ」になってしまうのです。

 

 

まとめ

 

当期利益の圧縮をだけを考えて生命保険を活用するのは早計です。


来季以降の財務の見通しから「その保険料が何年間支払えるのか、いつごろにまとまった資金を得たいのか」ということを考えていけば、あなたの会社にピッタリな生命保険が見つかるでしょう。

 

法人保険で節税をお考えになるときは、保険を解約したときの益金計上の出口もイメージして、よくよくご検討頂ければと思います。

 

 

「経営者が知っておきたい生命保険プレミアム活用術」配信中

 

 法人保険に関して、社長、財務ご担当者必見の情報をお届けするメールマガジンです。

 

無料購読

 

 

あなたにピッタリな法人保険診断


法人保険マイスターの津崎桂一が、どんな法人保険プランが貴社にピッタリか診断いたします。


診断フォームはこちら

「決算対策の生命保険の落とし穴。ゴールからの逆算で回避しよう。」に関連する記事

保険業界の専門用語、隠語をこっそり、まとめました。
保険の契約時などに何気なく交わされる保険用語や、保険マンが社内や飲み会などで交わされる隠語などをまとめてみました。
NPO法人 全日本保険FP協会 | 13483view
子宮頸がんの手前、「高度異形成」で貰えるガン保険がめちゃアツい!!
子宮頸がんとは、子宮の入り口付近「子宮頸部」にできるがんを「子宮頸がん」といいます。 子宮頸がんの原因はHPVウィルスです。子宮頸がんになる前の病状を「異形成」とよびます。
NPO法人 全日本保険FP協会 | 5298view
全損と半損、はたしてどちらが良い保険?
資産計上額分の保険は、保険料として会社からキャッシュが出ていくうえに、その金額の35%が法人税として当期に納税もしなければなりませんから、キャッシュフローは悪化します。
NPO法人 全日本保険FP協会 | 5877view
ピックアップ
話題のキーワード
アクセスランキング